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パチンコ・パチスロ新時代のリーダー育成
第1回遊技産業マネジメント・カレッジ

 9月14、15日、日遊協主催の第1回遊技産業マネジメント・カレッジが、静岡県伊東市、セガサミーホールディングス(株)研修施設「シースケープ伊豆高原」で開かれました。

 今回の研修の統一テーマは「パチンコファン3000万人復活!」。

 研修対象は日遊協会員企業の中堅管理職(ホール会員の場合は店長等講習・試験の合格証取得者)。ホール31人、メーカー12人、販社9人、卸2人、賛助会員1人の計55人が参加しました。

 研修の主な目的は

  1. パチンコ・パチスロ産業を牽引するリーダー同士の業種を越えての人脈形成
  2. パチンコ・パチスロ産業の将来への夢の共有
  3. 優れた先人のDNAの継承

です。また、店長等講習・試験のグレードアップ版としても位置付けられています。

1日目

 開講式で、深谷会長は「風営法の下にあって変えられないものはあるが、業態は変えることができる。新たなビジネスチャンスはたくさんある。今までの延長線上を歩くのではなく、変える勇気を持って欲しい。皆さんが『ファン3000万人復活』のためのアイデアをこぞって出してくれることが、業界の発展につながります」と挨拶しました。

 

 グループワークでは、研修生55人が6、7人ずつ9班に分かれ、「パチンコファン3000万人復活!」のためのテーマを話し合いました。

 

 グループワークを中断して、有限責任中間法人遊技産業健全化推進機構理事、NPO法人「21世紀大学経営協会」副理事長、關昭太郎氏による1時間半の特別講演がありました。テーマは「変革期に期待されるリーダーシップ」。

 

 夕食・交流パーティーで、里見治セガサミーホールディングス(株)会長兼社長がスピーチ。特別ゲストに片本通サミー(株)社長、石橋保彦(株)平和社長、庄司正英ピーアークホールディングス(株)社長、平本將人(株)プローバ社長、金沢全求(株)三洋物産専務を迎え、それに深谷会長以下日遊協幹部らも交えて研修生たちとの交流、歓談がありました。

 

 このあと、午後8時前からグループワークが再開され、翌日のプレゼンテーションを目指してテーマの絞込みが行われました。片本、石橋、庄司、平本、金沢の5特別ゲストと日遊協の阿部、大久保、山田の3副会長、松谷理事が1人ずつ班の討論に加わり、体験に基づいた助言をしました。

2日目

 午前6時に起床。朝食前の30分間、全員が施設内や周辺で清掃、草むしりなどの早朝奉仕をしました。グループワークが再開され、各班はそれぞれのテーマをまとめました。プレゼンテーションが行われ、投票の結果、第6班「18歳の新規顧客の開拓」が金賞、第3班「新規ユーザー獲得(世代別プロモーションの展開)」が銀賞に選ばれました。

 

 昼食、表彰式の後、研修生を代表して、金賞、銀賞を受賞した班のリーダーたちが感想を述べ、講評がありました。

第6班・深谷太詞氏(フシミコーポレーション)

「業界を動かしている人たちと立場を越えて話し合えたことは貴重な体験で、いい刺激になった。この業界を元気にしたいんだという思いは、皆同じだった。我々カレッジ第1期生の手で、明るい展望を開いていこうと思った」

第3班・粂田貴司氏(サミー)

「ファンの減少を食い止めないとビジネスが成り立たないということが現実に起こっている中で、同業他社の枠組みを越えて意見交換できたことは非常に有意義だった」

知念日遊協企画・教育委員会委員長の講評

「ともすればリタイアした団塊の世代を取り込もうという視点でものを見がちだが、第6班は『パチンコは18歳からできるんだ』と、前向きに高い目標を立ててくれた。第3班は現実的でドロ臭く攻めたことが評価できた。すべての班が、それぞれ特徴のあるプレゼンテーションをしていた」

 

午後1時過ぎ、三上日遊協専務理事が閉講の挨拶をしました。

~ 受賞したプレゼンテーション(要旨)~

金賞(6班)「18歳の新規顧客の開拓」

 これから社会に飛び立っていく18歳をターゲットに、キャンペーンを展開する。18歳の人たちにパチンコを知ってもらい、ファンになってもらうことも重要だが、リクルーティングの一環として、パチンコ業界で働きたいと思ってもらうような環境作りもしたい。

 

 ファンは10年かけて漸減してきており、増やすのも10年はかかる。18歳人口が今150万人といわれており、150万人の18歳人口に10年間、キャンペーンを通してパチンコを伝え、10年で1500万人の新たなファンをつくる。現在の遊技人口1600万人を維持したとして、10年で3000万人前後になる。さらに18歳にターゲットを絞ることでパチンコのフレッシュなイメージが上の世代へ波及効果をもたらすと考え、プラスアルファで3500万人を獲得したい。

 

 キャンペーンは「お父さんと一緒にパチンコ」のイメージで、業界全体で取り組む。メディア展開を徹底的に行う。「お父さん、もう18歳だからパチンコ教えてよ」「そうだな。最近お前とも一緒に遊んでいないから、パチンコを教えてあげよう」というような、人気女性タレントを起用したCMを流す。家族団欒の場でパチンコが話題になるようになれば素晴らしい。キャンペーンは毎年4?6月にかけて展開し、6月に親子で一緒に楽しむ無料パチンコ体験のようなイベントを全国で催す。

 

 バックアップ体制として、遊び方の説明、擬似体験、業界の社会貢献・地域貢献の広報などを載せた特設ホームページを開設する。キャンペーンの質をより高いものにするため、参加ホールは申し込み制とする。

銀賞(3班)「新規ユーザー獲得(世代別プロモーションの展開)」

 業界の健全化、クリーンイメージの訴求を、世代別にターゲットを絞ってプロモーションを行う。1次展開として20~25歳の女性層にターゲットを絞る。この世代の女性のお客様がホールに来ることが、ホールを明るくするし、男性客も一緒に増加するのではないかという意図を込めている。1次展開の検証を基に、2次展開としてサラリーマン層、中年女性層、団塊世代層へとターゲットを変えていき、最終目標の3000万人ファンを取り戻す。

 

 このプロモーションは組織の枠組みを超えた横断的活動となる。先ず資金が必要で、関連団体から資金を集め、例えば「業界イメージアップ基金」を創設する。出資額はメーカーは証紙発給枚数、ホールは入替え台数などを基準にする。

 

 プロモーションの第1目標は、初めての人に気軽に来店してもらうこと。とにかく敷居をまたいでもらう。テレビ、新聞・雑誌、インターネット等で展開する。例えばテレビCMの場合、20~25歳の女性をターゲットにコンセプトは「クリーンでおしゃれ」。人気モデルを起用し、清潔、ファッショナブルな場所で化粧を直すイメージで、化粧室から出てきたらそこはホール。また、トイレに困ったら、デパートやカフェよりパチンコホールを選んでもらうようなCMもいい。JRAが高倉健、中居正弘、キムタクを使って各世代層にイメージアップを図ったことが模範例だ。

 

 1年で資金を集め、企画を練り、半年間CMを流し、検証する。ホールは実際にCMに沿った環境を整え、この世代に魅力ある賞品を充実させる必要がある。

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